「都市ドローイング」ソンムジン(孫武辰、Sohn Moojin) #sonmujin #ソンムジン
[Website]
https://www.sohnmoojin.com/
[statement]
旅行をしながら絵を描いているアーティスト、ソンムジンの作業過程。
歪曲された風景の群集的な再現。 経験の「空間可視化」。
誰もが、具体的な場所について、主観的な視点を持っている。
それぞれの経験の中に、ばらばらになった残像の記憶は、いかなる形であれ、明確に残っているには違いない。
しかし、その経験の記憶は、多くのテキスト、イメージ、メディアを通じて、画一化された記憶に概括され,惑わされるものだ。
よって、自分が経験したところの記憶は、その時の経験を再現した媒体あるいは、ランドマークによって回想できるだけで,そのままを再現させることは不可能である。そして、時の流れによって、その場所は変わり、残っているのは象徴的、また経験による雰囲気、つまり、残像である。
本人は、そのような残像(記憶)を再解析、改めて組み合わせ、旅行による経験からの空間を可視化することに意義を持っている。
見ている人は、作品の一部分だけで特定の地域を追論する「記憶の誤解」で、本人の作業を歪んでいる混在したイメージであることを認知しながらも、そこに対する混沌や錯覚を誘発することとなる。
本人は、一ヶ所に一定期間滞在し、その場所での「空間記録形式」の作業を通じて、経験または非経験から生まれる、一般化の誤りについて語ろうとしている。 経験を前提とした構想的だが、現存しない全景を再現することにより、「結論的空間不在」にフォーカスしている。
こうした一連の過程を通して、「都市のイメージ」について再度考える。 キャンバスを埋め尽くした華麗な色彩と歪曲された線で表現した、群集的で混在した本人の表現は、一方的な疎通によるがらんとした感情を逆説的なものだ。
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